「んで、光星通りの何処らでしたっけ。」



「えっと、光星通り____…」



私は運転してる茶髪で後ろに小さくちょこんと結んでる男の人に詳しい住所を教えた



「りょーかいっす。」



茶髪の男の人はそう言うと車のスピードを少し上げた気がした



「……」



「……」



車内は静寂に包まれる




「嬢ちゃん、なんでここらに来たんすか?」



「…散歩してて、迷って」



先程と同じように答える



「嘘っすよね。」



ミラー越しで茶髪の人が私を睨む



「…っ、いえ、本当です。」



体が金縛りにあったみたいに動かなくなる



背中からは汗が出そう



「だったらそんな、格好してるんすか?」



そうか、私はあのままの格好出てたんだっけ。



普段着もしないしないような余所行き用のミニドレス



それにくるくるに巻いた髪の毛



頑張ってしたパーティ用のメイク




はたからみたら何処かから遊んだ帰りみたい



誤解を解くためには家のことを話さないといけない



だけど、今日初めて会った赤の他人に余計なことは言いたくない