どうやったらこんな危ない烏間通りに入って迷うんだ?



「迷うつったって、ケータイの機能とか使ったら迷わないんじゃないか?」




「…ケータイを持って来ずに出たんで。」



「お前油断しすぎ。ここに、一人で来るんじゃねぇよ。」



「……ごめんなさい。」




「親が心配するんぞ。」




「…親は心配なんかしないと思います」




「は?何言って、」



「若ー!」



こいつに訳を聞こうとしたら、タイミングが悪く純林が来た



「何んだ?」



睨むように純林を見た



「睨まないで下さいっす。車こっちによこしましたよ。その嬢さん送るんすよね?」



「あぁ。」



そう答えると純林は車の扉を開けた



俺は女の子を車に乗せ扉を閉めた



バタン


「んじゃ、送り届けてきやすねー。」



「頼んだ。」



純林は頷き車に乗って、発進させた



俺は遠ざかる車を眺めながら、組員に



「飲み直しだ。」



と言って再び居酒屋へと向かった