「あの…」

小さく、私の隣で囁いた人がいた。

しかも、誰かに。


私の腕につんつんする。

「えっ、私!?」


私だと思わなくて、つい大声を出してしまう。

「バカ、愛莉声大きすぎ」

「あ、すいません。
なんでもないです。」


そういって、静かに席に着く。

「決まった事なんだけど…」


あ、この子…


「生徒会?」


「あ、はいっ。

渡辺真希って言います。よろしくね」


笑顔を向けられる。

うお、結構可愛いぞ。


「あの、メガネはだてですか?」


「えっ!なんでわかったんですか!?」


あ、やっぱりそうなんだ…


メガネと前髪もう少し切ったら、可愛いのに。

「なーんとなく?」


「そう…ですか…びっくりしました…」


敬語でしゃべられると、後輩ぽくてなんか嫌だ。


だけど、この子に

タメ口で! なんて言っても聞かなそう…


「で、本題なんだけど…

これが決まった事です…」


と言われ、資料を私に渡す。


これを…どうしろと?