「あっ!入学式始まっちゃう!行こ!」
「あぁ」
やばい…。
ドキドキ止まらない。
どうしてだろう?
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「はぁっー」
「なになにー?なんかあったの?」
なんか?
なんか…
なんか…
ありませんよ。
そのなんかなんて
「ため息、7回目」
ドキッ
「えっ」
とそこに、山崎君と綾瀬君。
あ、綾瀬君って言うのは、山崎君のお友達の…
綾瀬 航希-kouki ayase-
まぁ、簡単に言っちゃえば茉香の好きな人。
私たち4人は、入学式の頃から仲良くなった。
それからというもの、一緒に行動するようになった。
もちろん、茉香が綾瀬君好きなのも、山崎は知っている。
山崎君と綾瀬君は幼なじみらしいんだけど、未だに綾瀬君の好きな人は知らないらしい。
っていうか、知らないって言ってた。
というのは嘘で。
茉香の前ではそう言っているけど、
私にはちゃんと教えてくれた。
「はぁ。私…屋上行ってくるね」
「私も行こっか?」
茉香はほんとーに、心配性だなー
「大丈夫!」
今は、一人でいたい気分だから。
そう言ってるけど、本当は誰かについてきて欲しかったり。
ひとりになりたい時は、ひとりになりたくない時なんだよね。
私って…面倒くさいな。
ギィッー
昼休みの屋上は…静かなはずがないのに。
今日は誰もいないな。
まぁ…さっきまで雨降ってたしね。
「あ、虹だ…」
くっきりしてる。
綺麗だなぁ。
ブーッブーッ
「わっ」
びっくりした。
電話か…。
「もしもし?七瀬です」
『あ、ねぇちゃん!今すぐ中学校に来て欲しいんだけど』
「は?何したの晃翔らしくないぞー?」
『いーから!とりあえずはよぉ!』
プーップーッ
えっー。
まだ学校終わってないんだけれども。
まっ!いっか!
そんなこんなのノリで、中学校に行く事に。
愛莉side
「……」
「ごめんなさい…」
いや…怒ってないんだけど…。
危なかった。
「あのね明花。
ああいう人は、すぐ手を出してくるの」
「うん…」
そう明花は…
教室から飛び出し、大好きなお兄ちゃんのところへ行った…らしい。
だけど途中で迷って
不良たちに捕まってしまい
連れ去られて
制服を半分脱がされた状態で見つかったらしい。
「こわかったよぉ…」
「だいたい、教室から出るのが悪いんだろ!」
晃翔も怒ってばっかりいないでさ…。
まぁ、わかるよ
私だって、にぃちゃんに同じ事した事あるし。
うん…。
今思うと恥ずかしいけど…。
「さっ。2人は先帰ってて」
「は?ねぇちゃんは?」
「買い物して帰るよ」
最近…晃翔が私に怖いんだよなぁー。
そう思いながらも
中学校をあとにした。
愛莉side
今日は…何にしようかな…。
「うーん」
にぃちゃんが好きな、ラーメン?
晃翔が好きな、オムライスハンバーグ?
明花が好きな、唐揚げ…?
それとも…
私が好きなご飯?
ご飯は…いつも出てるか…。
うぅーん。
今日はあんな事があった事だし!
あれにしよっ!
えっとまず、
たまごっー♪
よし、全部買ったかな!
あと、にぃちゃん用のコーラと…。
明花と晃翔のココア
お母さんのコーヒー。
私は…水でいいや。
だったら…水うちにあるじゃん。
アハハ…。
「合計、3802円になります」
意外と予想以上いったな。
お小遣いがぁ…。
「お買い上げありがとうございました」
笑わない定員きらーい!
ムスッとしてる人。
なんて思いながら、スーパーを出る。
「さむっ!」
春なのに!
なぜこんなに寒いんだー!
ピューピュー風が…。
冷たい!
「あぁさむー。はやくかえ…へっくしょい!」
くしゃみ出てしまった…
「はぁ…」
なんか…今日ため息ばっかりだな…
今日…長かったな。
1日。早い日と遅い日。
遅い日は…嫌なことばっかり 。
早い日は…楽しいことばっかり。
逆だったら、いいのになぁ。
なんて思ってると。
ドンッ
「あっ…ごめんなさい…」
「あぁ? …」
ヤバっ。
不良だ。
しかも…1人じゃない…。
5人くらいは…。
しかも…さっき明花襲った人達だ…。
私が…追い払ったから…。
私の顔見たら…怒るよね…。
あぁーどーしよ。
だれかぁー!
たすけてー!
なーんて。心の中で思ったって意味ないのに。
「あっ。お前、中学にいた女と似てんなぁ」
やばい。
バレそうっ!
そして…次の瞬間。
「まぁいい。存分に楽しませてもらうぞ」
「えっ…」
最悪…だ…。
「大丈夫だ。お前も楽しいだろうから」
「そ、そういう問題じゃ…」
あぁー。
『なんか文句あっかよ?』
とか…。
怖いこと…
いわれそう…。
「文句言うなら、今日は返さないからな」
ほーらね。
言ったよ…。
「はい…すみません…」
でもやっぱり…このまま連れてかれるのは、死んでもゴメンだ。
「行くぞ」
「や…」
そう言われて、震えてる手を取られる。
だけど私は、その手を解くように逆に振り下ろした。
怒られても…怖くないもん。
「なんだよ?今さっき、すんなり行こうとしただろ?
歩けよ。さっさと」
「嫌だ。離して」
「歩けって言ってんだろ!このバカ!」
怒鳴りつけられる。
「だったら私もいうわよ。
離せって言ってるでしょ!この変態!」
私も怒鳴りつけてどうすんだよ。
バカみたい…。
わたし。