気がつくと、目の前には白い天井。

ゆっくり起き上がると、先生が来てくれた。

「気が付いたようね、
廊下で倒れてるんだもん。びっくりしたわ」

「すみません…」

「いいのいいの。

ちょうど、帰り際だからあなたも帰りなさい」

今まで、どうやって…

男性と接してきたんだろう。

認めたくなかった事がある。

あんなに好きな、山崎君にでも

触れられると、名前を呼ばれると

何がが刺さったように胸と頭が痛むのと、微かに私が震えている事。

きっと私は…

男性が苦手なんだ。

そう気付くと、だんだん視界がぼやけてきた。

「愛莉ちゃん?!
どうしたの!?どこか痛いの!?」

涙目になっていると、

先生が焦って私の背中をさする。

先生は、私のことをよく知ってる。

お母さんと先生が同じ歳で仲がいいらしい。

「紗栄に連絡しようか?」

紗栄とは、お母さんの事。

私は首を横に降る。

お母さんには…泣いてたなんてバレたくない。

お兄ちゃんとか弟とかならまだいいけど…

晃翔は…いやだな。