愛莉side

「で?どうだったのよ?」

「どーもこーも…言えなかったよ」

言うっていうか、私の場合だと…した?

「でも、両想いってことは分かったんでしょ?」

「うん…って、なんで知ってんの!?」

わたし言ったっけ?

いや、言ってない。

「あ、あのね…茉香…」

「なによ、告白がキスだったとか言わないでね?」

うっ…

それです、茉香さん…

「えーっと、そ、そうなんだよね、」

「はっ?」

「告白がキスだったの!」

数秒後

「……はぁっ!?告白がキスぅっ!??」

「しぃー!声でかい!!」

そう言って、茉香の口を抑える。

非常階段だから、聞こえる距離にいる人には聞こえちゃったかも…。

「なにそれ!」

「いやぁ…それで、愛莉は俺の何になりたいの?って言われたんだけど…途中で茉香から電話来ちゃって…」

「あ、ごめんごめん!!」

それは別にいいんだけど…

「で、茉香はどうなの?」

私の話だけだと、面白くないから茉香の話もしないと。

「わたしは…特に何も…」

あれ…?

茉香の表情が変わった。

「何かあった?」

そう聞くと

「ごめん、ふたりの仲を壊すかもしれないけど…」

「ふたり?」

誰と誰?

「愛莉と山崎」

なんで、だろう?

すごく、嫌な予感がした。