「愛莉。運ぶの手伝え
晴人君は俺の部屋に来て」

げっ…。

なんか言われる?!

「う、うん」

な、なんか…

怖いな。

そう恐怖感も持ちながら階段を上がってく。

二階の廊下でドアの真ん中に

“あいと”って書いてある看板を見つける。

「あっ…」

恐る恐る入る。

「失礼します」

もちろんノックをして

「やぁ…待ってたよ」

部屋から見えたお兄さんは…。

まるで別人

ダられきったおっさんみたいな格好をしていた。

「まぁ、好きなところに座りたまえ」

なんか、社長みたいなんだけど、

「早速本題に入ろう」

「はぁ…」

たぶん

『愛莉とはどういう関係?』

とか聞いてくんだろうな。

「お主はうちの長女の彼氏かい?」

これ…って

何の真似ですか!?

「いや…彼氏じゃないです」

ここははっきりとね。

「愛莉のことどう思ってるの?」

普通に戻ってる?!

「えっと…可愛いって思ってます」

え、だって可愛いよね!?

「確かに…うちの愛莉は可愛い。
うん。ものすごく!
ところで、君は愛莉の事が好きなのかな?」

感がいいですね。

そうなんですよね…。

すみません…。

「はい」

「うわーお!君、すんごく正直者だね!」

なんだこのテンション。

「よし分かった。協力する。
今日は愛莉の部屋で寝な」

「既に誘われています」

「なんと!?大胆な妹だ!」

「そ、そうですね…」

確かに。

あの場面こそ、恥ずかしくなって照れる場面なんだけど…。

「ははっ…それ言ったの愛莉わかってないでしょう?」

「照れてなかったので…たぶんわかってないと思います」

改めて思うよ。

可愛いなぁ。

「保つ事を祈るよ」

「ぶっ…」

「あぁーっ!ごめん!」

び、び、びっくりした。