キミと青春したいのなら


「は、はると…くん!」

「っ?!」

なんで私。

名前で呼んでんだ?

ば、ばかっ!

「あ、あの!
お兄ちゃん達、来たらやばいので私の部屋に…きませ…」
「タンマ!ちょっと、口塞いで!

心臓壊れるから!」

と言われ、口にてを当てられた。

「んっ?!やみゃ?!」
「だ、大丈夫だから!」





あ、はい。

なんか、私…天然になったかな?

まじか。

天然はやだな。

ドクンッ

あ、山崎君の心臓の音。

聞きたい!




「ねぇ、七瀬」

「は、はい?」

危ない。

どうしよう。

な、なんか。

「俺、お前の事本気で好きだわ」

「っ!」

「ごめん、この際言っちゃうけど…

好きより、大好きだ」

「……っ」

あぁ〜。

顔また、見せれなくなっちゃった。

山崎君の体に顔を隠す。



心臓の音聞いちゃう。

ドックンッ


あと
もうちょっと…。

「こら。」

やばっ!

バレちゃった…


「きゃ」

「やっと顔あげた…こっち向いて?」

嫌です、


「い、やだ。」

「そっか」

そう言って、山崎君は私をじっと見て

持ち上げた。

「えっ?ちょ、山崎くん!降ろして!重いから!」

「理由になってませんけど?」

うっ…。

たぶん、山崎君だから

大丈夫だと思うけど…。

部屋に運ぶだけだよね…。

「あ、あの…」

「…」


…無視。

たぶんあの時、山崎君の顔見なかったから

……かな?

山崎君の袖を引っ張る。

「……?」

「いったい…私は何をすれば…」

ていうか…今さっきの告白?だよね…。

私、返事してないってことは…。

振ったって意味?

ま、まて!

なんか…え?

私どうすればいいわけ⁉

「うーーん、こっち向けばいいだけ」

まぁ…今は顔赤くないから…。

「む、向くから…
降ろして…ください…」

「はぁーい」

あれ?
なんかいやそう?

「さ、向いてもらおうかな」

ただ…向けばいいだけ…

ただ…

「っ…」

ダメだ。

向くことだけ考える!

「どーしたの?」

「い、いや…」

って言っても。

こまったな。

「向けばいいだけ?」

「うん」

じゃ…

うつむいてた顔を山崎君に向ける。

「へへっ」

向いた瞬間。

ふにゃっとした笑顔を向けられた私は…。

また、俯く

「可愛い」

「う、うるさい…よ…」

キミは…どうしてそんなに…。

意地悪なの?

晴人side

ガチャンッ

「あいりー飯」

あ、お兄さんかな?

「にぃちゃん!
おかりなさーい!」

ぱぁっとした顔で、七瀬がお兄さんに抱きつく。

うっ。

“やってもらいたい”

一瞬思いました。

すいません。

「今日はね、助けてもらった人ねお泊まりしてもらうんだ!」

「…はいっ⁉」

そりゃ、びっくりするよね…うん。

「まて。愛莉」

「なーに」

「彼氏か?」

「……」

えっ…なぜそこ黙る!?

『違うよ!お友達!』

とかとか言おうよ!

ほら!

お兄さん、頭抱えてるよ!

「その子…呼んできて」

「…」

あれ…こっち来た。

な、なんかあったか?!

「い、行こうか」

あ、照れてる。

“彼氏か?”

って聞かれて、照れてるだけね。

はい。

可愛いな。

「この子です」

「こんばんわ。
愛莉さんと同じクラスの
山崎晴人です」

「こん!!」

え?!現代語?!

俺、きちんと挨拶したのに!?

「いい子だな!俺の第2の弟だ!」

なんか勝手に弟にされちゃったよ!?

な、なんだこの兄は…。


その時。

「で、愛莉の彼氏?」

これは…どう答えれば…。

迷ってる最中。

ガチャッ

誰かが帰ってくる。


「「ただい……ま」」

「「「…」」」

「あと3分遅れます」

「ちょ、あきにぃちゃん?」

な、なんなんだ…この家族は…。

イケメン2人に…。

美少女2人に…。

「やばっ!この人ねぇちゃんの彼氏?!」

「え、まじ?
かっけぇ☆サッカーやってますか!?」

「え、な、七瀬…どうすれば…」

「……」

照れてますね、はい。

「きゃっー!声もかっこいい!」

「俺や…にぃたんよりかっこいいね!
なまえは?」

この妹…と弟…正直…うるさい…。


「えっと…山崎晴人…」

「はる君だね!」

「えっ、明花が名前で呼ぶなら俺、晴人先輩で!」

「あ、はい…どうぞ…」

ち、ちょっと…頭痛い…。

「ねぇちゃん、晴人先輩借りるね!」

「だめ!はる君は明花が借りるの!」

「やめなさい!お客さんなんだから。
あんたらは、早く食って寝なさい!」

お、さすがお姉ちゃん!

とそこに。

「いや…せっかく1人増えたんだ…
明日も休みだし…みんなでワイワイしようぜ☆」

ほんと…この家族は…謎だ。

「ごめんね…ご飯食べよ」

「ううん、楽しいよ。呼んでくれてありがとう」

「っ…う、うん」

だめだ。

話してると、なんか言われて…。

「飯だ飯!」

聞いてませんでした。

俺も…なんか手伝わなきゃな…。

そう思い、リビングに行こうとすると。

「待って」

七瀬に呼び止められる。

「ん?」

また、俯いてる。

似合わないから。

てか、笑ってた方がかなり似合うから。

「な、なんでもないやっ
ご飯食べよ!」

作り笑いだな。

「はっきり…言って欲しかったな…」

嘘とか…嫌いなのに。

「ふふっ…」

……

なんで笑ったんですか。

俺結構真剣だったのに。

「えへへ…今日一緒に寝ようね」

今日…いっしょ…に。

「っ…」

すき。

なんでこんなに可愛いんだろう。

好きの気持ちが溢れて七瀬に飛びつく。

「きゃ

ど、どうしたの?」

好きの気持ちが溢れました。

大好きだわ。

こんなに好きになったことないから…。

今、めちゃくちゃはずい。

「やま、ざきくん?」

「すき。だいすき」


「っっ…!?」

「好きすぎてやばいんだよね」

ほんとなんですよ

どうしてくれます?

こんなこと聞いたら七瀬が困るよね。

「そん、なに…わわわたしの…こと…しゅきなの?」

ぶっーっ!

今の聞いた?!


『しゅき』=『好き』

可愛い…。

「うん、だーいすきだよ」

なにやってんの俺。

余裕ないのに。

さすがっ

このタイミングで告白とか。

素直者は違うね!

(´・∀・` )ハハッ

「っ…〜~」

「迷惑だよね。ごめんね」

「あ、いやあのっ…」

「迷惑だったら迷惑って言ってね」

「め、迷惑だなんて…そんな事それっぽっちも…。」


いい子だなぁ。

だけど俺も遠慮なく言ったから

迷惑だなんてこれっぽっちも考えてないけどな、






「愛莉。運ぶの手伝え
晴人君は俺の部屋に来て」

げっ…。

なんか言われる?!

「う、うん」

な、なんか…

怖いな。

そう恐怖感も持ちながら階段を上がってく。

二階の廊下でドアの真ん中に

“あいと”って書いてある看板を見つける。

「あっ…」

恐る恐る入る。

「失礼します」

もちろんノックをして

「やぁ…待ってたよ」

部屋から見えたお兄さんは…。

まるで別人

ダられきったおっさんみたいな格好をしていた。

「まぁ、好きなところに座りたまえ」

なんか、社長みたいなんだけど、

「早速本題に入ろう」

「はぁ…」

たぶん

『愛莉とはどういう関係?』

とか聞いてくんだろうな。

「お主はうちの長女の彼氏かい?」

これ…って

何の真似ですか!?

「いや…彼氏じゃないです」

ここははっきりとね。

「愛莉のことどう思ってるの?」

普通に戻ってる?!

「えっと…可愛いって思ってます」

え、だって可愛いよね!?

「確かに…うちの愛莉は可愛い。
うん。ものすごく!
ところで、君は愛莉の事が好きなのかな?」

感がいいですね。

そうなんですよね…。

すみません…。

「はい」

「うわーお!君、すんごく正直者だね!」

なんだこのテンション。

「よし分かった。協力する。
今日は愛莉の部屋で寝な」

「既に誘われています」

「なんと!?大胆な妹だ!」

「そ、そうですね…」

確かに。

あの場面こそ、恥ずかしくなって照れる場面なんだけど…。

「ははっ…それ言ったの愛莉わかってないでしょう?」

「照れてなかったので…たぶんわかってないと思います」

改めて思うよ。

可愛いなぁ。

「保つ事を祈るよ」

「ぶっ…」

「あぁーっ!ごめん!」

び、び、びっくりした。



保つ…ねぇ…。

できるかな…。

「が、頑張ります」

「うん。頑張れ!

あと、敬語じゃなくていいよ。
俺の第2の弟でもあるし…。

晴人君の兄と同い年だしね」

えっ…。

俺に兄貴いることなんで知ってるの!?

「兄がいることなんで知ってるの?って顔してるね」

「えっ…あ、はい…」

この人、ある意味こわい

「大学が一緒だからさ」

「な、何の大学ですか!?」

兄貴大学入ってんかよ。

「ここ」

そう言われ、パンフレットと渡される。

“篠宮高等大学”

俺らの高校の隣の大学。

「逢翔さん、何年生ですか」

「俺?2年生だけど…」

「20歳ですか」

俺、なに聞いてんだ。

「えっと…俺はまだ誕生日じゃないけど…今年20歳だよ」

「そう…ですか」

って事は

兄貴も…19歳?


なんか…引っかかる?