「ななっ…」

待って待って…

なんかいるわけじゃないよね…。

いるとしたら?

怖くないやつ…

いや…お化けはみんな怖いよね…。

「だ、だれかいるの?」

いるはずのない部屋に問う。

「……いるはず…ないよね…」

怖がって損だわ…。

風でしまったのか…。

やっぱ…怖いな。

半泣きの私は、恐る恐る廊下に出る。

私の部屋のドアにはさっきの猫がいた。

「なんだ…にゃんみかよ…」

こいつ…びっくりさせやがって!

なんて思いながらホッとして…

後ろを向く。

「きゃっ!」

後ろには、ハンガーにかかっていた服があった。

私にはそれが人間に見えた。

「誰だよ〜こんなところにかけたの…」

服テキに…にぃちゃんだ。