私だってまだ求められるような身体だったの?って思う。
求められて、応えられる身体だったんだ…
もう四肢を支える以外に用なんてないのかと、そう思ったから自分でも驚いてしまう。

先輩の唇が指が優しく撫でる。
波のように大きな呼吸が窓を曇らせる。


先輩がどんどん降りてゆく。
ウエストのホックを外すでもなく指先が戯れている。
ふるふる、と首を振ると

「…そんなに泣きそうな目して…どうした…?」
「…私…一応人間なんです。それ以上されちゃうと…」
「フッ、…おかしくなっちゃう?」
コク、と頷くと、
「おかしくなっちゃっていいよ…」
「…」
「…ダメ?」
「ごめんなさい…」

先輩の指先がウエストのホックのあたりで言うことを聞いていない。
私の不安そうな顔を見ている。

「ダメって言ってるのに、この人はもう~…だよな。」
私、ここで笑ってしまうと…この指先はあっけなくどこまでも入ってきてしまう。