「ごめんなさい、だって。」
「だって、何?」
「カッコいい…」
「は?どこが。」
「ここ。」

と私の大好きな目尻をそっと撫でる。

「こんなものただのシワじゃねーか!」
「それがいいんです。」
「10年前はもっとカッコ良かったんだけどな。」
「今の白石さんがいいんです。」
「いつまで『白石さん』なんだよ。」

えっ、

「…淳也さん…?」
「ん?」
「淳也さん…好きです。」
「フッ」
「淳也さん」
「何だよ!」
「じゃあ10年前の写真見せて下さい。」
「10年前、はないけど…免許なら…ほら。」

私の知らない先輩。
今の方が優しい顔だなぁ。
確かにカッコいいけど。