一つ息をついて、続けた。

「航太には、深央加がいる・・・みたい

だし」

 深央加の存在が航太の中で大きくなっ

ていくと思うと、すごく怖い。私と航太

の関係って、友達っぽいし、航太は私の

こと恋愛対象として見ているかさえ分か

らない。

「それなんだけどさ、航太に聞いた?」

 楓は真剣な顔で私を見て言う。

 え?何のこと?

 キョトンとした顔をすると、楓はやっ

ぱり、という顔をする。

「だから、深央加と一緒にいたこと、航

太に聞いたって聞いてるの」

 いや、聞いてないけど。聞けるわけな

いじゃん。怖いし。

「ううん。そう聞いて嫌われるの怖い

し・・・」