学校に来ても相変わらず眠い。さっき授業中に寝てた。

……
気付かれなくて良かった。

今は3時限目で、古文の時間だった。さっき熟睡してたからか、目は割りと覚めていた。

ふと、窓の外になにか見えた気がした。

「ん?」

ここは三階だから、鳥か何かかな?

…いや違う。人のかたち…?
よく見ると、何となく赤い気がする。徐々に輪郭がはっきりしてきて…

パクパク、パク…

口を動かしている?

―― 何あれっ…

怖いとか、気持ち悪いだとかよりも先に思ったのは、訳がわからない、だった。

怖い、と思ったのはそれを見て数十秒、いや数分後かもしれない。初めて見た恐ろしいものに、思考が追い付けなくて。

長くも短くも感じられた。

普通なら顔を背ける。よしそうしよう。
頭が、動かない。
底知れない恐怖を感じて、



「うわぁぁぁぁぁぁ!」



私は叫んだ。