すると、昴の肩をポンっ!と誰かが叩く。
昴は考え事をしていたので、思わずビクッとなる。
「うわっ。何、そんな驚いた?」
そう言って、昴の顔を覗き込むように見つめる水野。
「…え?あっ、ちょっと…考え事してたから…。」
水野の顔を見た瞬間に、何故か照れ臭くなり目を反らす昴。
「そっか。」
そんな昴を見て、笑顔で言う水野。
「うん…。あっ、そういえば何か用事?」
昴は水野とのやりとりが嬉しくて、少し声を弾ませて返事をする。
そして、何故水野が自分に声を掛けてきたのかを不思議に思い、問いかける。
「あぁ…。特に用事があるわけじゃねぇんだけど…挨拶でも…しとこうかなぁと思って…さ。」
今度は水野が照れ臭そうに目を反らし、右手で頭を掻く。
「えっ…あぁっ!そっかっ!そうだよねっ!朝だもんねっ!」
水野の意外な言葉に、昴は嬉しくて、少し動揺しながらよくわからない事を言う。
「…ぷっ。そんなキョドんなくても…くくっ!」
昴の様子を見て、水野は思わず笑い出しそうなのを堪える。
「んなっ!そんな笑わなくたっていいだろーっ!!人が真剣に…。」
と、水野の態度が気に入らなかったのか、ぶつぶつと文句を言う昴。