やっぱり私をチラッと見てから蹴ったボールはゴールに吸い込まれるようにして入った。
その瞬間、湧き上がる歓声。
あまりのかっこよさに翔くんに目を奪われていると
「見てたっ?玲!」
「ちょ…翔くん?」
試合中にもかかわらず、私のいるところへきた翔くん。
も、もしかして…。
「約束したからいいでしょ?」
ニヤッと企んだような顔をして
「キャーー!!」
ちゅっと軽く私のほっぺたキスをした。
「もう…翔くんっ」
こんなたくさん人がいるところでキスなんて。
恥ずかしくて俯いていると
「部活が終わるまでいつもの場所で応援してて」
翔くんはポンっと私の頭に手を乗せて、また試合へと戻っていった。