「ほら、後ろに乗って」
「うん。失礼します…」
翔くんに促されるまま、ゆっくりと後ろに座ってぎゅっと翔くんの腰をつかむ。
「そんなつかまなくても大丈夫だよ」
意外と強い力でぎゅっとしたからか、クスクス笑いながら言う翔くん。
「わざとだよ〜」
「ふはっ…なかなか玲もやるね」
そんな翔くんの声を聞いてさらにぎゅーっと抱きつくと
「きゃあっ!」
「俺をばかにした罰」
いきなり猛スピードで自転車を漕ぎ出す翔くん。
びっくりしたけど、少しひんやりとした空気が顔に触れて気持ちいい。
「ねぇ翔くん」
「ん?」
「翔くんと大野くんって幼なじみだよね?」
「そうだよ」
翔くんの背中に顔をくっつけながら話しかける。