本当に翔くんって




「ばかっ」




全部ひとりで抱えこんで、ひとりで解決しようとしていた。




「嫌いになれるわけないじゃん…」




翔くんがサッカー対決のすこし前から冷たくなったのはそのせい。


私に翔くんを嫌いにさせて、和くんのところへ行きやすいようにするため。




「…ごめん」




いつも私のことをいちばんに考えてくれるのは、翔くんも…和くんも同じ。


でも、それよりも大切なことはあるでしょ?




「…自分の気持ちを大切にしなきゃ」




自分が幸せじゃなかったら意味がなくて、他人の幸せを願う前に自分が幸せにならないといけない。


そうじゃないと、相手の気持ちも見えなくなってくる。