「…芳川くん、好きです……だから振ってください」
今までたくさん幸せをくれた翔くんにできることはこれだけだから。
せめて、好きな人の幸せを願える人でいたい。
ぎゅっと目をつぶって翔くんの言葉を待つ。
「…ごめん。俺…玲の気持ちには答えられない」
…うん、知ってたよ。
「…ごめんね、時間…取っちゃって」
あとすこしで涙が溢れちゃいそうだけど我慢して笑顔をつくる。
最後に“玲”って呼んでもらえてよかった。
それだけで満足だから。
「じゃあ…これからはクラスメイトして…」
「…そんなの俺が許さない」
え、なんで…?
どうして私…翔くんに抱きしめられているの?