「芳川くんがもしほんとに先輩と付き合っていたら…ほんとに最低ね」
「…え？」
「だって、こんなに美玲を悲しませてるんだもの」
悔しそうに顔を歪め、翔くんを最低だと言うなずちゃん。
きっと、なずちゃんは私を想ってくれてるんだろうけど
「…翔くんは……最低じゃないよ」
どうしても、翔くんの悪口を言われるのだけはイヤ。
いつもはだいすきななずちゃんだけど、今はきらい。
「でも、美玲は芳川くんに振られたんだよ？それなのに芳川くんの肩をもつの？」
振られたとしても……翔くんをそんな風に言われるのはイヤ。
だって───
「…翔くんだからだよ…」
