“サッカー王子”という単語に反応して、悪いと思いつつ下の中庭にいる女の子たちの話しに耳を傾ける。




「うんっ…!佐々木さんと別れたのは知ってるでしょ?」




…また、その話か。


もう、聞きたくないのに。




「今度はさ、先輩と付き合ってるんだって」



「えっ?だれ?」



「当たってるかわかんないけど…理数科の相葉 莉子先輩だって!」



「あの、めちゃめちゃ美人の?」



「うんうん。やっぱサッカー王子ってメンクイなんだね」



「でもそれでも好きー!」




え…?


つき…あって、る?




「美玲、ちょっと話そ」




放心状態の私を引っ張って近くの空き教室に連れて行くなずちゃん。