落ち込んでる私を気遣ってくれてると思うけど




「すこしは…自分も大切にしないと」



「え?」



「和くん、いつか倒れちゃいそうだよ…」




人のために一生懸命だから、自分のことは後回しにしちゃってる和くん。


それはいいことだけど、自分も大切にしないと。




「そうだな…」




しばらく和くんとふたりでおしゃべりをしてから教室に戻る途中。




「あ、美玲」



「なずちゃん」




廊下を歩いてたなずちゃんとたまたま会う。


同じ教室に戻るわけだしいっしょに歩いてると




「ねぇ、聞いた?」



「サッカー王子のことでしょ?」




窓のしたから興奮したような声が聞こえてきた。