「ちょっと先輩に呼びだされて」



「先輩?サッカー部の?」



「いや…理数科の先輩」



「へえ!」




先輩に呼ばれたことは言ったけど、告白されたことは黙っておこう。


だって余計な心配かけたくないから。


それに、玲もこれ以上詮索する気がないようでノートをとり始めている。



俺も玲から視線を黒板へ向け、ぼんやりとノートをとっていたこのときは




『サッカー王子…わたしの好み♪』




これからたいへんなことが起きようとしていたなんて思ってもみなかった。




もし、玲に先輩に告白されたと伝えていたなら。




これから起こることを防げたかもしれないのに。