*翔平side*




「遅かったな、芳川」



「すいません、先輩に呼び出されていて」




昼休みもそろそろ終わりの時間のころ。


日直だったことを思いだし、俺は職員室にいた。




「今日は数学のノートを返すだけだから」



「はい」




担任の机に置かれていたクラス分のノートを持って教室へいく途中




「あ、翔平く〜ん」



「…先輩」




さっきまで俺を引き止めていた相葉 莉子先輩が近寄ってくる。




「手伝う〜?」



「いえ、けっこうです」




バッサリと断って先輩のそばを通ろうとすると




「さっきの子は翔平くんの彼女?」




すぐさま俺のとなりに立ち話しかけてくる。




「…はい、そうですよ」




本当は無視したかったけど、先輩だから適当に接することはできない。