「ううん…私は翔くんがすき」
翔くんの唇に自分からキスして
「だいすきだよ…っ」
翔くんの不安を少しでもなくすためにぎゅーと抱きつく。
「俺も…」
静かに私の背中に回ってきた大きな手はいつも私を安心させてくれてあったかい。
「ねえ翔くん」
「ん?」
「翔くんはダサくなんかないよ。ヤキモチ妬きなところもひっくるめてかっこいいって思うよ」
「玲…」
さっき翔くんが自分のことをダサいって言ってたけど、ヤキモチ妬いてくれるのは私のことをちゃんと想ってくれているからでしょ?
だからすごく嬉しいし、さらに愛しくなる。
そんなことを考えながらもう一度ぎゅ、と翔くんに抱きついた。
*
このときはまだ知らなかった。
和くんが転入してきたことであんなことが起きるなんて───。