まっすぐに私をみつめる目は、初めて翔くんに幼なじみのことを伝えたあの日と同じ拗ねたような目になっている。
「…だっせえ俺」
いつもの余裕がある翔くんじゃなくて。
「翔くん…子どもみたい」
むにゅと翔くんのほっぺたをつつくと
「ん、なに?玲ちゃん」
「いたいよー!」
両頬をむにゅーとつねられる。
いちおう、あんまり力をいれてないからそんなに痛くはないけどね。
「ふはっへんな顔してるよ」
「ひどいー」
バカにされたのでお返しに私も翔くんの頬をつねる。
「ふふっ変な顔っ!」
「玲も負けてないからね?」
ふたりでしばらくふざけてると
「玲はさ…あいつのこと好きなの?」
パッと私の頬から手を離してまた拗ねたような顔をしてきいてくる。