私たちのとなりにいたなずちゃんにそう伝えて




私の手をぎゅっと握って教室とは違う方向に歩く翔くん。


どうしてか理由を尋ねようとしたけど、なんとなくオーラが怖かったから黙っていることに。



無言のままついたのは前になずちゃんに化粧してもらった空き教室で、ガラッと大きな音をたてて中に入っていく翔くん。




「翔くん…?」




近くにあった机に座り




「キャッ」




グイッと強めに手をひかれて抱きしめられる。




「はあ…」




なにかを抑えるようにため息をついた翔くんは私の首筋に顔を埋めたまま動かない。


とりあえず翔くんの背中に手を回してポンポンと軽くたたくと




「…めっちゃ妬いた」




しばらくしてからゆっくり顔を上げる。