そうすることで翔くんの体温が伝わってきて安心する。
「翔くんが赤ちゃんのときからいっしょ?」
「んーどうだろう。まあでも、物心つく頃にはもういっしょにいたしなあ」
「へえ〜幼なじみ歴長いね」
なんて翔くんの言葉に相づちを打ちつつ、ふと頭に浮かんだのは私の幼なじみ。
小さいころはよく遊んでたけど今は───
「玲は幼なじみいないの?」
「いるよ。でも引っ越しちゃってどこにいるかわからないの」
優しくってかっこよくて。
「翔くんはよく笑うけど、その子はクールで。でもたまに見せる笑顔はかわいかったなあ」
昔を思い出しながらそう言うと
「ふーん」
少し不機嫌そうな声になる翔くん。
くっつけてた顔を離して
「翔くん?」
そう聞いてみてもずっと前を向いたまま無言の翔くん。