「分かりました。では、いくつか質問に答えて頂きますがよろしいですね?」



「はい」



覚悟は決まってる。


南乗さんは、何処からかA4サイズのプロフィールを書くような紙を取り出した。




「何歳ですか?」

「大学三年の21歳です」

「何処の大学ですか?」

「西王子です」

「復讐したい相手の名前は?」

「芝崎三香子(シバサキ ミカコ)」

「何歳ですか?」

「私と同じで同じ大学です」

「その復讐をしたい理由は?」

「……汚い女なんです。彼氏は取るし、親友も取るし、カツアゲもされて……いじめられていました」

「なるほど。では、相手をどうしたいですか? 」

「私と同じ目にあわせて下さい」

「……はい。ありがとうございました」



紙にさらさらっと記入を終えると、南乗さんは、またどこからともなく黒いファイルのようなものを取り出した。



表紙には、【復讐代行人】とかかれてある。



「こちらに、復讐代行人がございます。気に入った人物を選んで下さい」




黒いファイルを開くと、一ページずつ、顔写真とプロフィールが書かれていた。


私が目についたのは、この人物だった。




_____________________


┌──────┐  ツムギ
│         │氏名:紬
│ 顔写真  │性別:男
│         │年齢:17
│      │職業:学生兼復讐屋従業員
│      │身長:178.5
└──────┘容姿:紫髪、黒目
詳細
・瑠璃の保護者的存在。
・無表情
・頭脳明晰
・運動神経抜群
・殺しの経験あり
・なんでもやる





※その他の個人情報は、必要な場合は店長まで。



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「……あの、紬さんにお願いできますか?」



おずおずと上目遣いでいうと、南乗さんは微笑んだ。



「はい。勿論よろしいですよ。
紬くん、挨拶を」



紬さんは、瑠璃くんを下ろすと、私の前で方膝を立ててしゃがんだ。



「紬です。ご指名ありがとうございます。ご期待にそえるよう、努力致します」


「お、お願いします」



こんなイケメンに頭を下げられたら、おろおろしてしまう。


南乗さんは、紬さんに立つよう命じると、私のほうをみた。



「金額の方ですが、三万五千円でよろしいですか?」


「へ?」


口を、あんぐり開いてしまう。



「それだけでいいんですか?十万とかかかると思ってました……」


「内容が内容ですので。
あ、今すぐでなくてもよろしいですよ。依頼終了時に、またこちらに来てもらいますので、その時に」


「はい」




案外安くて驚いた。


イケメンに囲まれて、復讐できてこの値段って、安くない?