「おはよー」

「あいりー!」

「あいちゃん」

…卒業式当日。学校について早々に2人が抱きついてきた

「危ないよ…もう。袋が潰れるから…ちょっとどいてー。」

「何入ってるの?」

「ないしょー。…なんてね。はい、紗姫に。こっちは昌希くんにね。あとは…」

クラス全員と、担任そして学年部…とケーキを配った。

「お前ら…本当にお疲れ様。また、いい顔で遊びに来いよ!」

入場すると…目がつくところに蓮琉さんと、お兄ちゃんがいた。お母さんとお父さんはいなかったけど。お兄ちゃん来てくれたことには驚いた。私は最後で少し泣いてしまい歌えなかったけど…いい卒業式になったんじゃないかな。証書を貰う時…一番声が大きい男子が泣きじゃくってて…面白かったけどね。私は今までよりは大きく出せたんじゃないかな。

「はい!」

蓮琉さんが見ている…それが緊張のもとだっつーの!…なかなか蓮琉さんの方へなんて向けなかったけどあとで、お礼言っとかなきゃ。…退場するときに見えたお兄ちゃんは目に涙が。ちょっとだけ嬉しかった。

「うぅ…あいり、卒業しちゃったね」

「うん…」

「でも、これからもよろしくな!あいちゃん」

「うん。…というか前から言いたかったんだけど。昌希くんのその"あいちゃん"って、やめてよ。恥ずかしい」

「今更だよー。」

「いうタイミング失ってただけ。」

「…もう替えられないから((笑」

まぁ、これも思い出か。アルバムには写真につける言葉があってそこに…
<あいちゃんと、紗姫…そして俺!!3人で1つ!!>
そう書いてあった。普通なら彼女と写って、2人で1つ…ならわかるけど。2人は私を含めてくれたんだ。

「本当にありがと」