「せーの…」

そう声をかけあった後、わたしたちは同時に袋を開けた。

「あっ…」

「へえ…」

プレゼントの中身に、わたしたちは顔を見あわせた。

「美咲がこの前、新しいマフラーを買いたいって言ったから…」

「ネクタイはたくさんあるだろうと思いましたし、アクセサリーはあんまり使わないかなって思いましたから…」

わたしの手元にあるのはピンクのタータンチェック柄のマフラー、先生の手元にあるのはネイビーのシンプルなマフラーだった。

柄や種類は違うけれど、わたしたちは同じものをプレゼントしたようだった。

「まさかプレゼントがかぶるとは思ってもみなかったな…」

先生は困った、だけど嬉しいと言うように笑った。

「わたしもビックリしました」

わたしはマフラーを手にクスクスと笑った。