イルミネーションを見て回り終えると、先生と一緒に駐車場へ戻った。

「イルミネーション、キレイでしたね」

そう話しかけたわたしに、
「行った甲斐があったな」

先生が言った。

車を発車させて駐車場を出ると、
「おっ」

「あっ」

わたしたちは同時に声を出した。

目の前ではたくさんの車が行列を作っていた。

これはどうやら、
「渋滞に巻き込まれたらしいな」

先生はやれやれと息を吐いた。

「そのようですね」

わたしは返事をした。

ここを出るタイミングがどうやら一緒だったみたいだ。

「まあ、別にいいか。

美咲、後部座席に荷物が置いてあるだろ?

それを取ってくれないか?」

「ええ、いいですよ」

返事をすると、シートベルトを外して後部座席に身を乗り出した。