「僕、美咲の父親だと思われてないよな…」

先生は心配そうに言った。

「そう思われたら不安ですか?」

そう聞いたわたしに、
「そんな訳ないだろ」

先生が答えた。

「本当に僕たちのことを恋人だと思ってるヤツもいれば、さっきみたいに父娘だと思ってるヤツもいる訳だし…結局人の意見なんてよくわからないからな」

そう言った先生に、
「そうですね」

わたしは首を縦に振ってうなずいた。

「ねえ、雅仁さん」

「どうした?」

「…もう少しだけ、くっついてもいいですか?」

そう聞いたわたしに、
「仕方ないな、今日だけだぞ」

先生が答えた。

「やった」

わたしはここぞと言わんばかりに先生と腕を組んだ。