さまざまなイルミネーションがわたしたちを迎えてくれた。

「わーっ、キレイですねー」

そう言ったわたしに、
「キレイだな」

先生が言った。

「あれ、鹿ですかね?」

動物の形をしている青い電飾をわたしは指差した。

「いや、今の時期はトナカイじゃないのか?」

先生は観察するように模型を見つめた。

「あー、なるほど」

見れば見るほど鹿じゃなくてトナカイに見えてきた。

「それにしても、本当に人が多いな」

そう言った先生に、わたしは電飾から顔をあげた。

先生の言う通り、わたしたちの周りには人がたくさんいた。

それも、カップルばかりである。

そう言ってるわたしたちもカップルな訳なんだけど。