「心当たりも特に思い浮かばないから、困ってるの…。

わたしがもし先生に悪いことをしたなら、謝りたいって思ってる…」

そう言ったわたしに、
「わかった」

千秋ちゃんは首を縦に振ってうなずいた。

「明日、岡田先生に聞いてみる」

千秋ちゃんが宣言するように言った。

「えっ、聞くって…?」

戸惑っているわたしに、
「もちろん、美咲ちゃんの名前は伏せてよ。

友達からこんな相談をされたんですけど、岡田先生はどう思いますかみたいな感じで聞くのよ」

千秋ちゃんが答えた。

「でも…それで、先生が答えてくれるのかな?」

先生って、意外と頑固なところがあるよ?

そう思いながら聞いたわたしに、
「あたしに任せなさい!」

千秋ちゃんはトンと、こぶしで自分の胸をたたいた。