「でも…そんなことだったら、すぐに話して欲しかった」

呟くように言った千秋ちゃんに、
「ごめん…」

わたしは謝ることしかできなかった。

「もう謝らなくていいよ。

あたしのことを信用しているってことがわかったから」

「でも、先生とのことは…」

「秘密にするに決まってるでしょ」

千秋ちゃんは人差し指を唇に当てた。

「ありがとう、千秋ちゃん」

こんなことなら、最初から千秋ちゃんに先生のことを話せばよかった。

改めていい親友を持ったなと、わたしは思った。

「それで…先生がどうして別れを告げてきたのかわからない、と言うことだっけ?」

そう聞いてきた千秋ちゃんに、わたしは首を縦に振ってうなずいた。