学校にいる時は時間が過ぎて行くのが遅いのに対して、家にいると時間が過ぎて行くのを早く感じるものである。

時間はあっと言う間に、夕方を迎えた。

「先生、どうしてるのかな…?」

学校にいても家にいても考えてしまうのは先生のことばかりだ。

スマートフォンで時間の確認をすると、学校が終わっている時間だった。

でも先生はまだ仕事が残っているんだよね。

そう思っていたら、
「美咲、千秋ちゃんがきたわよ」

ドアの向こうからお母さんの声が聞こえた。

えっ、千秋ちゃん?

驚いている時間も与えないと言うように、自室のドアが開かれた。

制服姿の千秋ちゃんが入ってきたところを見ると、学校が終わってからすぐにわたしの家へ訪ねてきたようだった。