「――んっ…」

僕の自宅のベッドのうえにいるのは、僕と荻原の2人だけだ

彼女とは夜の授業の真っ最中――とでも言えば、官能小説のプロローグみたいに聞こえるだろうか?

「――あっ…」

甘い声を出していることに気づいた荻原は、恥ずかしそうに手で口を隠した。

「何で隠すの?」

イジワルを言って、荻原を困らせた。

昼休みの告白の件もあるから、本能的に彼女を困らせたいと思ったからかも知れない。

「――だって…」

熱っぽく潤んだ目を向けながら、荻原が言った。

光は、ベッドの横に置いてあるスタンドの薄暗い灯りのみである。

そんな中でもわかるほど、彼女の目は潤んでいた。

その目、僕以外のヤツに見せるなよ。