「こんな時間まで…親御さんは大丈夫か?」

呆れながら聞いた僕に、
「大丈夫ですよ♪」

荻原は答えた。

「何時間、いたんだよ」

続けて聞いた僕に、
「さあ」

荻原はとぼけたように答えた。

「キツいだろ、僕がいつ校内から出てくるかわからないのに」

そう言ったら、
「結構楽しかったです」

荻原が言った。

「はっ?」

そう言った彼女がわからなくて、僕の口からマヌケな声が出てきた。

「何で待ち時間が楽しんだよ」

そう聞いた僕に、
「だって、先生のこと考えていたから」

荻原が笑いながら答えた。