昼休み。

4時間目の授業が終わると、僕は担当していたクラスを出た。

廊下はたくさんの生徒たちで騒がしいことになっていた。

そんな生徒たちの間を縫うように抜け、階段を下りた時だった。

「好きです」

そんな声が聞こえたので、僕は踊場を覗いた。

そこには、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている男子生徒がいた。

彼を目の前にして、困惑したような表情を見せている女子生徒は…荻原だった。

告白のシーンだったらしい。

すごいシーンと鉢あわせになったな思いながら、好奇心旺盛でそのシーンを見ている僕がいた。

「ごめんなさい」

荻原が彼に向かって頭を下げた。

「わたし、好きな人がいるので…」

好きな人――それは、僕のことを差していた。

告白してきた相手は、彼女とつりあいが取れそうなくらいのイケメンである。