「欠席は?」

「中島さんです」

僕が聞くと、待っていたかのように荻原が答えた。

今日は荻原が当番らしい。

「他は?」

「いません」

本当に素早い回答だ。

「忘れ物の確認するぞー。

誰かいるかー?」

そう呼びかけて教室内を見回したが、誰もいなかった。

いつもは誰か1人か2人は手をあげて忘れたとかって言うのに、珍しいこともあるんだな。

教科書を手に持つと、黒板にページ数と項目を書いた。

「前の時間に出した練習2の問題やってきたかー?

今日は復習をしながら答え合わせするぞー」

振り返ったとたん、バチッと荻原と目があった

正確に言うなら、彼女の方から目をあわせてきた。

ニコッと微笑んだ彼女に、ドキッと僕はときめいてしまった。