「そうだよっ!おじちゃんが炒飯作ってくれたの‼ママのより美味しかった」と、頬に手をあて、にまにま笑顔の颯太。


「そ、そんなことまでして頂いちゃってっ!


本当にすいませんっ‼」

もうカレンダーを見ただのなんてくだらない文句も言えない。


「颯太、ちょっとテレビつけようか?」

「うん‼」

社長は、リビングでテレビアニメをかけると颯太にちょっと待っててと告げて私の所に戻ってくる。


「結花さん、お腹減ってない?」

ベッドに腰を下ろしながら聞いた彼に、私は小さく首を横に振った。




「たくさんの事を1人で両立するってさ、大変じゃない?」


優しく聞く彼に私は「それは私が親である以上、やらなきゃいけないことだから…」とため息混じりに答える。



「でも、結花さんの体は一つしかないんだよ?


今回みたいに疲れのピークで倒れちゃった時に、颯太の親が結花さんしかいないなら…

颯太を悲しませるんじゃない?」



「確かに、自己管理が甘くて…ご迷惑をおかけしたと思います。

でも…

私だって頑張ってるんです…。

両立させなきゃいけないし。

自分の事を後回しにしても、ちゃんと頑張ってるつもりです。」


また

親としての私が責められた。

そう思い、俯いたまま顔を上げられずにいると、ぽんぽんと頭を優しく撫でる大きな手のひらから、優しい温かさが伝わってくる。