関係あると言ってくれる社長に…翔太さんに

泣きつけたら

どれだけ心の負担が減るだろう…?



でも、そんなことできない。

できるわけがない…。




グイっと袖で涙を拭うと


彼は俯いたまま苦笑いを浮かべる。


「颯太は結花さん似だね」


「えっ…?」


「そういうとこ。」


「そういうとこって…?」


立ち上がり私の前までゆっくり歩み寄ると

私に視線を合わせて優しく笑う。



「結花さんを泣かせる奴を俺は許せない。

だから関係あると言わせてよ。

それは俺の勝ってでしょ?

俺に何ができるなんて思わないけど…

せめて俺を…

結花さんが安心して泣ける場所にして?」



強くありたいと願うのに…

人として

親として

毅然とした態度でありたいと願うのに…

翔太さんにこれ以上近寄ってはいけないと思うのに…


この人はどうして

いつも私の欲しいものをくれるんだろう…。


我慢しても

我慢しても

ぽろぽろ涙が零れ落ちて行く。


私はそれが嫌なのに

翔太さんは、安心したように優しい眼差しをくれるんだ。



愛してる。


愛してる。


「スッキリ泣いた方が仕事も捗るでしょ?」


小さく頷いた私の頭を撫でる。



愛してる。


私は翔太さんに


恋をしている。



この恋を

止める方法があるなら

引き返せる今のうちに

誰か

教えて欲しい。