頭の中が真っ白だ。


腹立たしさで

悔しさで

やりきれなさで

泣きそうで指先が震える。



資料が

頭に入ってこない。





「相手は誰?嫌そうにしてたのに会いに行くの?」



不意に聞こえた社長の声にドキッとした。


混乱しすぎていて…


ここに社長がいることさえ、忘れていた…。



「あなたには…関係ない。」

泣きそうなのを堪えるてるせいで、声まで震える。


「関係ないんだ?」

「関係ないです…。」


「関係ないなんて言わないでよ。」

「だって…本当にあなたに関係ない。」

「嘘ばっかり。」

「嘘じゃないっ‼」


大きな声を上げた弾みで

目に溜まっていた涙が零れ落ちる。


「社長には、関係ないんですっ‼」

情けないけれど

泣きながら

強がった。