「そういう件でしたら、今は仕事中なので、後日にお願いします。」
--後日って?俺も忙しいんだけど?
「それなら諦めて下さい?」
--日程が合えばまた連絡する。
「会社への連絡は困る。携帯の番号教えるから…」
言いかけて
やめた。
この新しい携帯に
一度でも
無名でも
元旦那の電話番号が表示されるなんて…
堪え難い。
「ごめん。やっぱり…」
--本当、いつも中途半端な女だな。分かった。
来週の月曜日、仕事後に会おう。直接会った方が直ぐ終わるだろ?
「会うって…
私は嫌よっ⁈」
--それなら連絡先を教えろよ。
それが…
養育費を下げて欲しい奴の頼み方か?
でも、ここで断ればまた実家に電話をかけてくるかもしれない。
「分かった。月曜日に会います。その代わり、30分が限界。颯太を保育園に迎えに行かなきゃいけないから。」
--分かった。場所はじゃあ…あのレストランで。
「はい。失礼します。」
ガチャリと電話を切り
すぐに、仕事を始める。