予想外の言葉に私は思わずくすくす笑ってしまった。
「私だって結婚するまでは味噌汁の一つ作れなかったんです」
笑いながら言った私に「それでこんなに上達するなら、結花さんは努力家なんだね」と優しく微笑んだ。
努力家なんて…
本当にぼろぼろになりながら頑張っていた頃にも元旦那は私を褒めてくれたことなかった。
それがこんな風に突然、好印象な男性に私の努力を認めて貰えるような言い方をされたら…
ドキドキしてしまう。
あの時は本当に辛かったたけど、頑張っていて良かったかもしれないなんて…思ってしまう。
自分がいつの間にか彼の魅力に惹きつけられていたことに気づいたのは…
動物園を一通り回って、遠目に出口が見えた頃だった。