彼の話す言葉を聞いて…

少し自分は真面目に考えすぎてたのかもしれないと思わされた。



「はい。じゃあ…翔太さんって呼びます」

「そう!あと、敬語ね」



彼の人懐こい性格のおかげで


さっき会ったばかりとは思えないほど、みるみるうちに距離が縮まる。


人見知りをしやすい颯太が最初から懐いたのは翔太さんの人柄だったんだ。


子供は純粋だから…同じように純粋な相手には心を開くのかもかもしれない。





「でも、やっぱり結婚の経験がある女性とない女性とでは赤ら様な違いがあるな」


突然、ため息をついた翔太さんの言葉に私を誰かと比べてるんじゃないかとドキドキした…。


こんなステキな人なら恋人くらいいて、当たり前なんだろうけれど…


なんとなく、知りたくないと嫌な気分になった。


「うちの妹にも、料理とか教えてやってよ」

「へっ…?依子に…?」

「そう、あいつ実家暮らしだからって甘えて31にもなってまだ、味噌汁の一つ作れないんだ。」