くるりと踵を返して

先輩方に冷たい視線を送った。


翔太さんが見てようと関係ない。


女の私には

女の戦いで引けない時がある。



「夫に愛人ができたので離婚しましたけど?

よく有りがちなパターンかしら?

30過ぎた先輩方はどうして結婚されないんですか?


ああ…

相手にして貰えないっていう有りがちなパターン?

失礼なこと聞いてすみません。

でも、お互い様ですよね?


質問にはお答えしましたので

帰らせていただきます。」


普段、言われっぱなしの私がそんな事を言ったもんだから

みんな口をポカンと開けて間抜けな顔をしていた。



ここにいる必要無し‼


足早にレストランを出ると

体がカタカタ震え出す。



「産まれて初めて喧嘩売っちゃった…」



かなり失礼なこと…

言っちゃったけど…。


私だって言い返す。


いつまでも

守られてなければならいか弱い女じゃない…。

利口な女でもない。

利口じゃないから、今の私があるなら…



少しくらい噛み付いてやってもいいでしょ?


傷付けられて泣いてるだけの弱い女のままじゃ…


いたくない。