「すいません。子供が留守番してるので帰ります。」
頭を下げて
一歩…
二歩…
歩いた時
玲二の言葉がふと頭の中に浮かんだ。
まるで今の私を励ますように
颯太が生まれた夜
病室で、眠る颯太を2人で見つめてた。
「颯太も守るけど…
結花のこともちゃんと、今までと変わらず守っていくから…
失敗なんか恐がらないで堂々と子育てしろよ」
今の状況に当てはまるとは言えないけれど…
もう
守ってくれる玲二はいないけど…
でも
そう。
言われっぱなしで、尻尾を巻いて逃げてたら駄目。
シングルというだけで…
バツイチというだけで
何も知らないくせにからかうような人達に
頭を下げる理由なんかない。
シングルだから何?
バツイチだから何?
離婚したけれど、私達にはちゃんと幸せな時間はあったんだから…
堂々としていればいい。