ーードキンッ
え、まって、この声って、
「おい、聞いてんだけど」
わわっ。
この声、やっぱりっーーー
「笹木由来、聞いてんのか?」
ドキッ。
急にあたしのフルネームが呼ばれ、びっくりして右隣を見てしまう。
「か、川崎蓮!!!」
そう、あたしの隣には、あの、川崎蓮が座っていた。
体ごとこっちへ向けて、あたしを見ていた。
「な、なんであたしの名前」
「は?お前去年も同じだろ?覚えてない方がおかしい」
え、覚えててくれたの?
だんだん顔に熱が集まっていくのがわかった。
「……顔赤いけど?」
スッとあたしと川崎の距離を縮めてきた。
「ち、近い!」
あまりの近さに驚いて、川崎を思いっきり押してしまった。
「いてーし…」
「ご、ごめんなさい」