ガラー

ドアを開けて初めて入った資料室。

え、なにここ。

若干埃はかぶってるものの、ソファ、イス、テーブル、ベッド、冷蔵庫にキッチンなどなど。

ここで生活できるじゃん!

え、ここほんと資料室?

そう思いもう一回入り口に書いてある文字をみる。

"資料室"

そこには間違いなくそう書かれていた。


…先生、この部屋本当に自由に使っていいの?

もしそれが本当なら

先生……


神すぎる!!!

わざわざ保健室行かなくても寝れるし、お弁当忘れたときなんかここでご飯も作れる!!

なんて部屋!!

「…くくくっ」

隣で笑い声が聞こえ我に返る。

滝川悠斗……存在忘れてた。

「まじ、お前最高だわ」

そういって爆笑してる。

……なんだ、そういう顔もできるんじゃん。

さっきの胡散臭い笑顔より、こっちの笑顔の方が何百倍、いや、何千倍もいい。

「…って、笑いすぎだから!」

未だに爆笑している滝川悠斗につっこむ。

「だって……」

そう言ってまだ笑ってる。

あたしなんもしてないのに。

そういってむすってしてると

「わりぃわりぃ。だからそんな顔すんなって」

そう言って頭をポンポンした。

顔が真っ赤になるのが自分でも分かる。

心臓がドキドキうるさい。

全部滝川悠斗のせいだ。

いきなりこっち向いて、見たこともない顔で。

あたしに話しかけたから。

あたしは顔が赤いのを隠すように

「笑ってないで掃除するよ」

そういって埃を落としに行った。